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名古屋地方裁判所 昭和51年(ワ)782号・昭51年(ワ)867号 判決

【主文】

一  被告は、原告宗宮和子に対し金六一万三九六〇円及び

1  うち金三万七〇六〇円に対する昭和五一年三月二六日から

2  うち金二万一〇〇〇円に対する同年四月二六日から

3  うち金五五万五九〇〇円に対する同年五月二日から

各完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告は、原告宗宮保に対し金一〇五万〇七三九円及び

1  うち金六万七二〇〇円に対する昭和五一年三月二六日から

2  うち金六万七二〇〇円に対する同年四月二六日から

3  うち金九一万六三三九円に対する同年五月九日から

各完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

三  原告らのその余の請求を棄却する。

四  訴訟費用はこれを三分し、その一を被告の負担とし、その余は原告らの負担とする。

五  この判決は第一及び第二項記載の金員のうち、それぞれ二分の一以内の金額の限度で仮に執行することができる。

【事実】

第一  当事者の求めた裁判<省略>

第二  当事者の主張

一  請求原因

1  雇用契約の締結

(一) 被告は、西山浄土宗(本山―京都府長岡京市栗生所在―光明寺)を包括宗教団体とする宗教法人である。

(二) 被告は、昭和四九年二月一〇日開催の責任役員会の同意を得て、宗教法人誓願寺規則(以下誓願寺規則という)の事務局設置に関する施行細則を制定して、新たに事務局を設けた。そして、原告宗宮保(以下原告保という)は事務局長として、原告宗宮和子(以下原告和子という)は事務局員として、同日、それぞれ被告との間に雇用契約を締結した。

2  賃金及び退職金

(一) 被告は、右事務局設置に伴ない、昭和四九年四月七日開催の責任役員会の同意を得て、被告職員のために就業規則及びその付随規定として給与表、退職金規定(以下、就業規則等という)を定めた。

(二) 右によると、昭和五〇年四月一日以降の原告和子の賃金は四万〇七六〇円、原告保の賃金は七万三九二〇円であつて、毎月二五日に当月分の賃金を支払うもの(就業規則二七条四項)としている。

(三) また、就業規則二八条、退職金規定によれば、被告の職員が一年以上勤続して退職したときは、退職時の賃金(一か月分)に一五〇を乗じた額の退職金を退職と同時に支払う旨定められている。

3  原告らの退職

被告就業規則三六条によれば、職員が退職するときは少なくとも一か月前に書面にて退職の意思表示をすることを要する旨定められているところ、原告和子は昭和五一年三月一六日、原告保は同年四月二日、被告に対しそれぞれ書面にて退職の意思表示をなし、原告和子は同年四月一七日、原告保は同年五月二日、被告を退職した。

4  被告は、原告和子に対し昭和五一年三月分及び四月分二万三〇九七円(但し一日から一七日までの分)計六万三八五七円、原告保に対し同月三月分、四月分計一四万七八四〇円の各賃金を支払う義務がある。

5  また、被告は原告らの退職によつて、原告和子については六一一万四〇〇〇円(40,760円×150)、原告保については一一〇八万八〇〇〇円(73,920円×150)の各退職金を支払う義務がある。

6  よつて、原告和子は以上合計六一七万七八五七円、原告保は以上合計一一二三万五八四〇円と請求の趣旨記載のとおり各未払賃金及び退職金に対する弁済期の翌日から各完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

二  請求原因に対する答弁

1  請求原因1のうち(一)の事実は認めるが、その余の事実は否認する。

2  同2の事実は否認する。

3  同3のうち原告ら主張の頃、被告が原告らから退職する旨記載された書面を受領したことは認めるが、その余の事実は否認する。

4  同4、5の事実は否認する。

三  抗弁

1  原告が本訴請求の根拠とする本件事務局設置及び就業規則等の制定は、以下に記述する如く宗教法人法、誓願寺規則に違反して無効である。

(一) 被告は、宗教法人法に基づき設立された宗教法人であり、当然に同法の規制を受け、また、同法に根拠をおく誓願寺規則に定められた範囲内において活動をなしうるものである。

(二) 宗教法人法二六条によれば、「宗教法人は規則を変更しようとするときは、規則で定めるところによりその変更のための手続をし、その規則の変更について所轄庁の認証を受けなければならない」旨定められており、同法三〇条によれば、「右規則の変更は所轄庁たる都道府県知事による変更に関する認証書の交付があつて初めてその効力を生ずる」旨定められている。

(三) そして、誓願寺規則三六条によれば「規則を変更しようとするときは、責任役員会の同意を得て西山浄土宗の代表役員の承認及び愛知県知事の認証を受けなければならない」旨定められている。

(四) 元来、誓願寺規則には事務局設置についての定めや事務局員の雇用を予定する規定はなく、新たに事務局を設け有給の事務局員を雇用するということは、被告の運営方針を根本的に変革するものであるから、かかる規定の新設は規則の変更にあたり、前記誓願寺規則、宗教法人法所定の変更手続に従つて行われねばならない。

(五) しかるに、本件事務局設置は単に誓願寺規則の施行細則の制定という形で行われており、変更のための前記諸手続を履践していないから、宗教法人法、誓願寺規則に違反して無効であり、事務局設置に伴ない制定された就業規則等も無効である。

2  少なくとも本件退職金規定は、公序良俗に違反して無効であり、また、労使間の信義則に反する。また原告らがこれに基づき被告に退職金を請求することは権利濫用である。すなわち、

(一) 退職金は、継続した労働に対する対価であるから、労働者が提供した労働力の質と量に応じてその額が決定されるべきものであり、通常その支給率は勤務年数と退職事由を最も重大な要素として定められている。ところが、本件退職金規定は右要素を一切問わず、退職金を一律退職時の給与の一五〇倍とするもので著しく不当である。

(二) 昭和四七年八月頃の被告の運営は、賃貸地の賃料収入、九〇〇万円の定期預金の利息金、月経等の乏しい収入によつて賄われ、毎月の経費は月額八万円を超えることはなく、この状況は基本的に現在も変つていない。従つて、本件事務局の設置は被告の財政負担を飛躍的に増大させるものであり、とくに右退職金規定による高額な退職金の支払は、被告の財政基盤を根底から覆すものである。

(三) 本件退職金規定は、原告らの利益を代弁する者のみによつて構成された責任役員会において、前記のとおり退職金を算定する根本要素や被告の財政規模を無視して、もつぱら原告らの利益をはかることを目的として制定されたものである。

(四) 以上により、本件退職金規定は公序良俗に違反し無効であり、また、労使間の契約上の均衡を一方的に破るもので信義則に反し、これに基づき退職金を請求することは権利の濫用である。

(五) 従つて、原告らに対し被告が退職金支払義務を負うとしても、その支給額は原告らの提供した労働力の質と量を考慮して条理あるいは他の支給実例をもとに、社会通念上妥当と判断される額に限らなければならない。

四  抗弁に対する認否及び反論

1(一)  抗弁1のうち、(二)の事実は認めるが、その余の事実は否認し、その主張は争う。

(二)  被告が、その運営上第三者を雇用することは機関決定により自由になしうるところで、これに関する規則を定めることは規則の変更にあたるものではない。

2(一)  同2の事実は否認し、その主張は争う。

(二)  本件退職金規定は、就業規則及び給与表と共にその作成が事務局設置を議決した昭和四九年二月一〇日の責任役員会において被告代表者に一任され、同人がこれらを作成して同年四月七日の責任役員会に提案してその承認を得たものであり、原告らはその作成に一切関与していない。

3  原告らは、被告代表者の強い要請のため、やむなくそれまでの生活基盤を投げ捨てて被告の職員となり、その財政の基礎を確立し収入の著しい増加をはかることに尽してきた。被告は、原告らを雇用するに際し自ら本件就業規則等を定め、これによつて原告らを労働に従事させておきながら、原告らの努力が実を結ぶや前言を翻し、本訴において右規則等の無効を主張することは許されないところである。

【判旨】

一請求原因1(一)の事実は当事者間に争いがなく、<証拠>を総合すると、同1(二)、2(但し賃金及び退職金の支払時期を除く)、同3の事実を認めることができ<る。>

二そこで、被告の抗弁1について検討する。

1 同1(二)の事実は当事者間に争いがない。

そして、<証拠>によれば、以下の事実を認めることができる。

(一) 被告は、西山浄土宗東部一宗務支所(愛知県管轄)第二組に所属し、代々尼僧が住職を勤める寺院であり、「阿弥陀仏を本尊として宗祖法然上人教開宗の本義に基づき、浄土三部経を所依の経典として、西山上人己証の法門をひろめ儀式行事を行い信者を教化育成し、その他右目的達成のための業務及び事業を行う」ことを目的とする(誓願寺規則四条)。

(二) 誓願寺規則三六条には抗弁1(三)のとおりの規定があり、同規則四〇条には「規則の執行に関する細則は責任役員の同意を得て代表役員が定める」旨の規定がある。同規則には事務局に関する規定はなく、本件事務局は右規則四〇条に基づき「事務局設置に関する施行細則第一号」の制定によつて設置されたものである。

(三) ところで誓願寺規則には人の雇用を予定する規定はなく、代表役員がその事務を総理し(同規則一条)、事務は代表役員を含め五人の責任役員の過半数で決することとなつている(同六条、一一条)。被告は、いわゆる檀家を持たず、その主たる収入は境外の所有地の賃料である。従来、日常の事務は住職が一人で処理してきており、本件雇用契約締結まで有給の職員を雇用したことはなかつた。また、一般に被告程度の規模の尼寺において男子職員が雇用されている例はない。因みに、西山浄土宗の本山である光明寺の規則では事務処理機関として寺務所の定めがある。

2 右認定事実によれば、誓願寺規則は代表役員及び責任役員のほかに恒常的な事務執行機関を設けることを全く予定しておらず、したがつて、これを新たに設置し永続的な有給の事務職員を雇用することは、その規模からみても被告にとつて組織上の大変更をもたらすものというべきである。従つて、本件において事務局を新設せんとするには、規則の変更即ち、前記規則三六条所定の手続を履践してなすべきであつて、規則の根本的な性格に変更をきたさない範囲で、単に代表役員の事務執行上の便宜をはかるためにその制定が許されているにすぎないと解される細則(規則四〇条)の制定に拠ることはできないものというべきである。すると、本件事務局設置は規則の変更によらず行われたものであり、誓願寺規則の解釈、適用を誤まり違法な手続でなされたものというべく、無効といわねばならない。

3 右の如く本件事務局設置は無効というべきであるが、原告らと被告間に締結された雇用契約の効力についてはこれとは別に判断を加える必要がある。即ち、誓願寺規則には事務局の設置は予定していないというものの、特に雇用契約の締結自体を全く否定する趣旨の規定もなく、前記認定のとおり、被告は宗教活動並びにそれを達成するための業務及び事業活動を目的としており、右目的とされる事業内容やその規定の抽象性からみると、少なくとも人を雇用すること自体はその目的遂行上の行為に含まれると解すべきである。そして、雇用契約の締結が許される以上、これを前提とする就業規則の制定も目的内の行為として当然になしうるというべきである。してみれば、前記のとおり細則に拠る事務局設置は無効であるから、原告らは事務局長ないしは同職員の名称を付せられた地位を取得することはありえなかつたものの、右雇用契約の締結自体及び就業規則等の制定は被告の目的範囲内の行為であるから、有効であり、ゆえに原告らは労働者としての地位を取得し、本件就業規則等の適用を受けるに至つたというべきである。

以上により、被告の抗弁1は結局理由がない。

4 なお右就業規則(甲第四号証)別表の給与表並びに弁論の全趣旨によると、昭和五一年三月当時の原告保(昭和五年八月二八日生、当時四五年)の賃金額は一か月六万七二〇〇円、原告和子(昭和六年四月二〇日生、当時四四年)のそれは一か月三万七〇六〇円と定められていたことが認められ、同給与表がその後改正され、或いは契約等により原告らの賃金額が、原告ら主張の額に変更された事実を認めるに足る証拠はない。すると原告らの賃金額は右給与表に定める額によるべきである。

もつとも原告らは、前認定の如く、事務局長ないしは事務局職員としての肩書を付せられた地位を有するものではなく単に雇用契約上の従業員としての地位に止まるものであるところ、右給与表は、事務局長ないしは事務局職員に適用すべきものとして定められたものであるから、単なる従業員に過ぎない原告らに対して適用するに当つては、この点につき検討を要するところ、右給与表記載の賃金額をみれば、特に低額に押えられていることが明らかであつて、前記肩書を付することによつて高額に優遇している事実は認められないから、右肩書を外された原告らにつき右給与表記載の賃金額をそれ以下に減額するまでの必要は認められないというべきである。

三次に、本件退職金規定について検討する。

1 一般に、就業規則などに明確な支給条件の定められた退職金は、労働の対償性を持つ賃金(労基法一一条)に該当すると解されているところ、これは通常の賃金と異なり全労働期間(勤続期間)に対応して算出され、退職時に支払を受けることなどからみると、後払いの賃金としての性格を有すると理解することも可能である。そして<証拠>によれば、退職金は通常退職金算定基礎額(賃金のうち手当等を除いた基本給のみとする例が多い)と退職金支給率の相乗積として算定されること、右支給率は勤続年数の増加と共に増加する方式を採つており、退職事由(会社都合退職、自己都合退職、公傷病・死亡退職等)によつて支給率に相違を設けている例が多いこと及び労働省調査による昭和五〇年度のモデル退職一時金(全産業平均)によると、大学卒の定年退職者(五八年)の支給率は28.6、所定内賃金額は二六万八〇〇〇円(会社都合退職)であり、勤続二〇年の高卒女子退職者(三八年)の支給率は15.2、所定内賃金額は一二万三〇〇〇円(前同)であることを認めることができる。

ところが、<証拠>によれば、本件就業規則二八条及び退職金規定は勤続年数や退職事由別の支給率を設けず、単に一年以上の勤務者に対してその退職金支給率を一五〇とする旨定めているにすぎず、一般の退職金支給条件及びその支給実態とはかけ離れた特異な内容の規定となつている。そのための効力が問題となるのであるが、右規定の体裁のみから直ちにこれを無効としたり、或いは反対に勤続年数の長短を問わず一律に支給率を一五〇とする退職金支払の合意があつたと認定するのは相当でなく、右規定の解釈をするに当り、さらに慎重な検討を加える必要がある。

2 そこで、右規定制定に至る経緯をみるに、<証拠>並びに弁論の全趣旨を総合すると、以下の事実を認めることができる。

(一)〜(四) <省略>

(五) 被告就業規則二八条は「職員が一か年以上勤務ののち退職した時もしくは死亡及び本寺の都合により退職した時は退職金を支給するとし、退職金規定は別途定める」旨規定している。本件退職金規定はこれを受けて制定されたものであり、臨時職員及び嘱託を除き職員の退職金を一律退職時の給与(一か月分)に一五〇を乗じて算出された額としている。右退職金の算出係数(一五〇)は、前認定のとおり原告らが自宅を売却するなどそれまでの生活基盤を整理して被告方に入居していたこと及び被告の主たる収入が不動産収入に限られているため原告らの給与が比較的低く定められていることを考慮して、退職金は世間一般の標準的な退職金を想定し、その額を原告らが定年まで勤めた場合の給与で除して割出したものである。因みに、原告保の定年(事務局長は六五才)時の予想される給与は右就業規則別表給与表によると、一〇万七四〇〇円であり、原告和子(事務局員の定年は六二才)のそれは六万二三八〇円であり、従つて、定年退職時の予想退職金は、原告保が一六一一万円となり、原告和子が九三五万七〇〇〇円となる。また、算出係数を一律一五〇としそれ以外の係数を定めなかつた理由は、そもそも事務局の設置が原告らに被告での身分上の根拠を付与するための手段であつて、将来とも他の者を被告職員として雇用する予定などなく、原告らが定年まで勤務することを当然の前提として考えていたので、中途退職の場合等に用いられるべき係数を定めておく必要がなかつたためである。就業規則等の制定に同意した昭和四九年四月七日の責任役員会には原告らも出席していたが、その席上、本件退職金規定の体裁上、定年前に中途退職した場合であつても一五〇倍の退職金支払義務が被告に発生するのではないかとの点について真剣に討議されるようなことはなかつた。

右認定に反する被告代表者の供述部分は措信できず、他にこれを動かすに足りる証拠はない。

3 右認定事実によれば、本件退職金規定は原告らが定年時まで勤務し、被告の財政管理に尽力することを前提として、もつぱらその定年退職時の退職金の定めとして制定されたものと認めるのが相当である。定年前の中途退職の場合については前記のように真剣に討議することもなかつたのであるから、右の場合にも智清が本件退職金規定を算定基準として用いるという明確な意思を有していたと認定することは困難である。そして、支給率の定めは退職金支給条件の重要な要素であつて、通常本件退職金規定のように勤続年数に触れない支給率の定め方はなされていないのであるから、被告代表者の明確な意思のもとに制定されたものならば格別、右のとおりその明確な意思を認定しえない以上、右規定は勤続年数に関わりなく一律の支給率を適用するという趣旨の規定であると解することはできない。結局右規定は、単に定年時の退職金算定基準としての効力を持つにすぎないと解するのが相当である。

四1  以上の次第で、定年前の中途退職者である原告らの退職金算定基準として本件退職金規定をそのまま用いることはできないが、右規定は支給率の最高限を定めたものとしては有効であるからこれを合理的な限度まで減縮し、よつて得られた支給率を乗じて原告らの適正な退職金を算定するのが相当である。

2  <証拠>によれば、退職金支給率の形態としては一般に、一律増加型、段階的増加型、累進的増加型の三種があり、一律増加型は最も単純明快で事務的にも簡単なものであり、中小企業において多く採用されていることが認められる。

そこで本件についてみるに、支給率の型としては被告の規模に鑑み一律増加型を採るのが相当であり、また、前記認定事実によると、本件退職金規定は、昭和四九年二月に専ら原告らを対象として制定されたもので、当時原告保は年令四三年、原告和子は四二年であり、原告保の定年は年令六五年到達後の年度末であつて、最長勤続期間は約二二年、原告和子の定年は年令到達後の年度末であつて、最長勤続期間は約二〇年であつたこと、そして右定年時における退職金の支給率は最高一五〇であるから、約二年勤続後の中途退職者である原告らの合理的退職金支給率は右定年時の一五〇を右係数に従つて一律低減したものとするのが相当である。右に従い計算すると、支給率は、

原告保につき

原告和子につき

となる。そこで退職時の賃金額に右支給率を乗じて退職金額を算出すると、

原告保分  67,200×13,636

=916,339

原告和子分 87,060×15=555,900となる。

3 原告ら主張によれば、退職時の原告和子の給与は四万〇七六〇円、原告保の給与は七万三九二〇円であると主張するが、右は給与表に従つたものとは認められないから採用できないこと前叙のとおりである。右によれば、原告和子の退職金は五五万五九〇〇円、原告保の退職金は九一万六三三九円となる。

(井上孝一 佐藤壽一 島本藤三)

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